Development of Overcoring Stress Measurement Method Based on Borehole Deformation Taking into Account the Anisotropy and the Error by Assuming Isotropy

Abstract

Overcoring rock stress measurement method has been used in most of projects of constructing large rock caverns for hydro-power plants and oil storage in Japan. This is because the principle of the method is clear and reliable measurement devices have been developed. Overcoring stress measurement method is applicable to both isotropic and anisotropic rocks, but only methods assuming isotropy have been actually available in engineering. Rock is sometimes very anisotropic and the importance of considering anisotropy in rock stress measurement has been pointed out by several authors. One of the major reasons for the fact that there has been no practical method taking into account the anisotropy is that it has been very difficult to determine anisotropy of the rock at the location of the overcoring.In this paper, adopting a new method for determining orthotropic anisotropy by pressurizing a hollow cylinder, a practically applicable rock stress measurement method is developed. Then an example of applying the method to a field data is shown. Further, the error in the resultant stress state when isotropy is assumed for anisotropic rock is discussed through many simulations. 1．は じ め に 応力解放法は数ある地圧測定法の中でも最も信頼されて用いら れる方法の一つであり，大規模地下空洞の建設に際しては必ずと いってもいいほど採用されてきた。 これは測定原理が明確であり， また信頼性の高い各種計器の開発が進んで測定実績が積み重ねら れているからである。 応力解放法はオーバーコアリング等により地圧を解放したとき の岩の変形やひずみを測定して，その量から地盤の変形特性に基 づいて地圧を求める。原理的には，岩の変形特性が等方性か異方 性か，線形か非線形か，などに関わらず適用されるものである。 しかし，実用化されている応力解放地圧測定のほとんどは等方な 線形弾性を前提としている。 一方，地盤は程度の差はあれ異方性を持つものであり，その程 度が顕著であることも少なくない。実例を挙げれば，地殻の寸法 では地震波の分析から地殻の異方性が検出された地域は南極を含 む全世界に及んでいる 1) 。これらは主に S 波の偏波で確認され， その速度差は 2% 弱程度から 10% 程と報告されている。原位置試 験の寸法では，中部地方の砂岩泥岩の水平互層岩盤での水平方向 と鉛直方向との平板載荷試験で，水平方向の弾性係数が鉛直方向 の約 1.5 倍大きい結果が得られているし 2) ，ポルトガルのダムサ イトでは方向によって最大と最小で 3 倍ほどの弾性係数の異方性 が報告されている 3) 。コア試験の寸法では，弾性波試験や載荷試 験により方向によって 2 倍程度以上の弾性係数の異方性が見られ る例が多数報告されている。 このように地盤には異方性があるので，Amadei 4) は異方性地盤 での応力解放地圧測定法を実現するために異方性の無限体中の円 孔の弾性解を導くとともに，シミュレーションに基づいて応力解 放地圧測定における異方性の考慮の重要性を指摘した。しかしな がら，異方性を考慮した応力解放地圧測定はエンジニアリングの 実務ではほとんど行われていない。この大きな理由の一つには， 地盤の異方性を適切に求めることが容易ではなかったことが挙げ られる。また，一つには異方性を無視して地圧解析した場合の誤 差がどの程度になるのかの知見が十分でないため，異方性を考慮 することの重要性が適切に認識されにくいことも挙げられるかも 知れない。 尾原ら 5) は，地盤に E h /E v ( 面内と面外の縦弾性係数比 ) が 1.4 程度までの面内等方の異方性があり，異方面に垂直の孔で測定す る場合の円錐孔底式の応力解放法を定式化した。そして，異方性 を無視した地圧解析を行った場合の誤差は平均応力でみて最大 9% 程度であると報告した。 さて，新 6) は中空円筒試料を用いた地盤の異方性測定の実用的 な方法を開発し，オーバーコアリングにより回収される中空円筒 試料を用いて直交異方性を測定することができるようになった。 そこで，本報告では任意に傾いた直交異方性を考慮する応力解放 ＊ 2003 年 9 月 8 日受付 12 月 10 日受理