Development of the Japanese version of the Peer Conflict Scale

Abstract

Methodological Advancement 青年期における攻撃行動の問題は深刻である。文部 科学省初等中等教育局児童生徒課 (2021) の調査では， 暴力行為の認知件数が約 6 万 6 千件であり，依然とし て高い水準にある。加えて，警察庁生活安全局少年課 (2022)によると，刑法犯少年の学職別検挙人員は高 校生で最も高い。このように，反社会的行動を含む攻 撃行動は，青年期において深刻な問題であり，攻撃行 動への予防・介入の必要性は高いといえる。 児童・生徒の攻撃行動を捉える上で，攻撃行動は， 主に形態面および機能面の観点から検討されている。 まず，攻撃行動の形態面は，外顕的攻撃(overt aggression)および関係性攻撃(relational aggression)と いう 2 つの攻撃にさらに大別されている(Crick & Grotpeter, 1995; Grotpeter & Crick, 1996) 。その中でも， 外顕的攻撃とは殴る， 脅すといった身体的攻撃(physical aggression)および言語的攻撃(verbal aggression) を含み，物理的な損害を与える攻撃を指す(Crick & Grotpeter, 1995; Grotpeter & Crick, 1996) 。関係性攻撃 は，意図的な仲間関係の操作や仲間からの被受容感に 損害を与えることを通じて他者を傷つける攻撃を指す (Crick & Grotpeter, 1995) 。 次に，攻撃行動の機能面は，反応的攻撃(reactive aggression)および能動的攻撃(proactive aggression)