“…Amount of desorbed hydrogen under 200 °C for cathodically charged and immersed specimens as functions of charging time.未チャージ材および水素チャージ材の X 線回折パターンを図 5 に示す.陰極チャージ 3 h 材における X 線回折 パターン (図 5(b)) では,未チャージ材 (図 5(a)) と同様に Ni-Ti (B2 構造) に対応するピークのみが見られ,水素 化物に対応するピークは認められなかった.また,陰極チャージ 16 h 材において,水素化物 TiNiH (正方晶; a = 0.6221 nm,c = 1.2363 nm) に対応するピークが検出された (図 5(c)).一方,浸漬試験 6 h 材で は水素化物に対応するピークは検出されず,腐食生成物 Na 2 TiF 6 (六方晶; a = 0.91974 nm,c = 0.51317 nm) に対応 するピークが検出された (図 5(d)).この結果は,従来の報告と一致する.また,浸漬試験 16 h 材からは,水素化物および腐食生成物に対応するピークが検出された (図 5(e)).Fig. 5 X-ray diffraction patterns for (a) non-charged specimen, specimen cathodically charged for (b) 3 h and (c) 16 h, and specimens immersed for (d) 6 h and (e) 16 h. 写真を図 6 に示す.未チャージ材の表面には,600 番の SiC 研磨紙 時間と共に孔食の数は増加した.さらに,浸漬時間が 8 h を超えると腐食の進行が促進され,試料の表面全体が 凹凸を持った腐食形態を示した (図 6(e) および (f)).この腐食形態は,従来の報告とも一致する (Yokoyama et al, SEM images of typical side surfaces of (a) non-charged specimen, and specimens immersed for (b) 2 h, (c) 4 h, (d) 8 h, (e) 12 h and (f) 16 h. corrosion pits 6 による研磨傷が見られた (図 6(a)).また,2 h 浸漬材の表面には研磨傷に加えて孔食が観察され (図 6(b)),浸漬 Ogawa, Oda and Sakai, Transactions of the JSME (in Japanese), Vol.83, No.855 (2017) © 2017 The Japan Society of Mechanical Engineers [DOI: 10.1299/transjsme.17-00005]水素チャージを行った試料のビッカース硬さ試験結果を図 7 に示す.従来,Ni-Ti 超弾性合金は水素吸収により 硬さが上昇することが知られている (Oda et al, 2016).したがって,図 7 に示す硬さ分布は水素濃度分布に対応していると考えられる.図 7(a) に示すように, 陰極チャージ 3 h 材の表層における硬さは,浸漬試験 6 h 材と比べて高い値を示した.また,陰極チャージ 16 h材の表層における硬さも,浸漬試験 16 h 材と比べて高い値を示した (図 7(b)). 水素チャージ中における電位の経時変化を図 8 に示す.陰極チャージ材の場合,測定開始直後から電位は-1.15 V (vs. SCE) 付近で安定した.一方,浸漬試験材の場合,浸漬時間と共に電位は徐々に卑な方向へシフトし,浸漬 時間が 10 h を超えると-0.50 V (vs. SCE) Vickers microhardness of specimens (a) cathodically charged for 3 h and immersed for 6 h, and (b) cathodically charged for 16 h and immersed for 16 h. Change in potential for specimens immersed in 0.9% NaCl solution under constant current density of 2.2 A/m 2 , and in 0.2% APF solution.…”