“…スト最適設計に関する研究も報告されている [6][7][8][9][10][11][12][13][14][15][16][17] 。これらの不確定 性は,確率的に取り扱う方法(probabilistic approach)と非確率的に取 り扱う方法(possibilistic approach)に大別される。 非確率的な不確定性を取り扱う理論は,ばらつき変数の変動幅を 指定し,区間解析 6) ,凸最適化 7) あるいは多項式近似 8) により最悪応 答値を評価する手法や,ばらつき変数の変動幅を議論しない最悪ケ ース解析手法 9,10) が提案されている。また,ロバスト性の定量的評価 手法として,区間内の最悪応答値がクライテリアと一致するときの 変動幅をロバスト性指標とする Info-gap ロバストネス解析 8,11,12,13) が 提案されている。これらの理論を用いたロバスト最適設計に関する 研究として,藤田ら 8) は時刻歴応答解析による最大応答値を Taylor 展開により高精度に予測する手法を用いて,構造物の物性ばらつき を考慮したロバスト最適化手法を提案した。寒野ら 13) は,2 つのイ ンパルス入力を用いて弾塑性建物の共振時最悪応答値を表現する手 法を利用し,1 質点モデルの固有周期や降伏変位等のばらつきを考 慮したロバスト性評価手法を提案した。山川ら 14) は,順序統計量に 基づき最悪応答値を予測する手法を用いて,地震動の周期特性およ び構造物の物性ばらつきを考慮したロバスト最適化手法を提案した。 これらの手法は,設定したばらつき条件において目標性能を 100% 満足する設計解を得るものであるが,場合によっては過剰設計につ ながる可能性があることが指摘されている。 一方,不確定性を確率的に取り扱うものとしては,信頼性理論に 基づく研究 [18][19][20][21][22][23][24][25][26] が数多く展開されている。一般的に,応力解析や応 答解析に基づく建物の性能評価は計算負荷が大きく,不確定性を有 する建物の性能が目標性能を満足する確率を直接求めることは容易 ではない。そこで,一次信頼性評価法(FORM)や確率モーメントを用 いてそれらを発展させた手法による近似法が提案されている 例えば 18,19) が, 限界状態関数を線形近似あるいは曲面近似するため, 性能関 数が強非線形性を有する場合には精度に課題があると指摘されてい る。また,性能関数を応答曲面(Response Surface Method : RSM)で近 似し,RSM を用いたモンテカルロシミュレーション(MCS)により確 率を直接求める手法も提案されており,多項式で近似する例 20,21,22) やクリギングで近似する例 23,24) が報告されている。一方,ロバスト 性最適化事例と比べ,信頼性に基づく最適設計(Reliability-Based Design Optimization : RBDO)の報告例 25,26) は少なく,目標性能を満足…”