“…et al, 2009a, 2010a, 2011) .そして,高波による巨 礫移動限界線を決めることができれば,それよりはるか内 陸に存在する巨礫は,その地域を襲いうる高波では説明で きず,より周期の長い津波起源だと認定できると考えられ る(後藤,2009; Goto et al, 2010a, d) . 石垣島の東海岸などの海岸線沿いに存在する,従来から 「津波石」と呼ばれていた巨礫群は,礁縁からの距離にして 最大 1300 m も内陸にあり,上記のような台風の高波に伴 う巨礫群とは明らかに異なる分布形態を示す(第 3 図, Goto et al, 2010a, b) .さらに,200 トンを超える巨礫も存在 し,礁池内起源のハマサンゴが多いなど,高波起源の巨礫 とはサイズ・種類とも明瞭に異なることが明らかになって きた(Goto et al, 2010a, b) .これらの巨礫群の一部は,年代 測定結果から 1771 年明和大津波起源と考えられているが (加藤・木村,1983; 河名・中田,1994; Suzuki et al, 2008) , 水理学的にも津波でしか説明し得ないことが明らかになっ た(Goto et al, 2010a, b) . こうして識別された沿岸部の津波石を用いれば,津波の 履歴や規模を推定できる可能性がある.Araoka et al (2010) は,津波で打ち上げられたハマサンゴを対象に 14 C 年代測 定や U/Th 年代測定を実施し,1771 年明和大津波により打 ち上げられた津波石に加え,古文書に記録された 1625 琉球列島における, (a)台風の高波と(b)津波による巨礫運搬プロセスの違い,および(c) 台風の高波と(d)津波による巨礫分布の違い(Goto et al, 2010a を改変) et al, 2009a; Paris et al, 2011b; Terry and Etienne, 2011; Etienne, 2012) .特に, 2011 年に出版された Marine Geology 誌の特集号 "Boulders as a signature of storms on rock coasts" は,高波で打ち上げら れた巨礫の論文を集めたものである.この特集号では,巨 礫が岩礁などから剥離するプロセス(Fichaut and Suanez, 2011; Knight and Burningham, 2011; Stephenson and Naylor, 2011)や分布様式(Chen et al, 2011; Hall, 2011; McKenna et al, 2011) ,運搬されうる巨礫の重量や移動距離に関する研 究(Goto et al, 2011(Goto et al, )などの論文が含まれる. et al, 2009Maouche et al, 2009;Scheffers et al, 2009Scheffers et al, , 2010a Barbano et al, 2010 Barbano et al, , 2012Etienne and Paris, 2010;Pignatelli et al, 2010;Switzer and Burston, 2010;Medina et al, 2011;Oliveira et al, 2011;Paris et al, 2011a;Shah-hosseini et al, 2011;Vella et al, 2011;Watt et al, 2012; Engel and May, in press)はもっ…”