“…) 。 代 表 的 な も の と し て, ト ラ ウ マ 後 成 長 (posttraumatic growth) , 出 来 事 に 関 す る 反 す う (event-related rumination) , 抑 う つ(depression) が 挙 げられる。トラウマ後成長とは,強いストレスを感じ る出来事やトラウマ的な出来事の後に報告されるポジ ティブな変化のことである (Tedeschi & Calhoun, 1996;Tedeschi, Cann, Taku, Senol-Durak, & Calhoun, 2017) 。 CES とトラウマ後成長の相関は,トラウマが個人の アイデンティティに重大な影響を与え,それを契機に 人生に対して,あるいは自己,他者,世界に対しての 捉え直しが生じていることを意味する。出来事に関す る反すうとは,出来事を経験した後にその出来事につ いて,意図的あるいは無意図的に,繰り返し考える程 度を指す (Cann et al, 2011) 。CES とトラウマ的な出 来事に関する反すうの相関は,出来事の中心性の高さ とその出来事について考える程度の関連を表す。抑う つおよび大うつ病は PTSD に併存しやすい精神疾患で ある (OʼDonnell, Creamer, & Pattison, 2004) 。CES と抑 うつの相関は,トラウマ的な出来事の自己にとっての 中心性の高さが抑うつの高さと関連することを表す。 さらに,CES は PTSS を縦断的に予測することが示 さ れ て い る (Boals & Ruggero, 2016) (Berntsen & Rubin, 2006) ,原版および各国で作成された翻訳版の モデル適合度が不十分であることが指摘されている (Eğeci & Doğruyol, 2019;Ionio, Mascheroni, & Di Blasio, 2018;Vermeulen et al, 2020) (Allebaugh, 2013;Brooks, Graham-Kevan, Lowe, & Robinson, 2017;Groleau, Calhoun, Cann, & Tedeschi, 2013;Kramer, Whiteman, Witte, Silverstein, & Weathers, 2020;Lancaster, Klein, Nadia, Szabo, & Mogerman, 2015)…”