Material Balance in the Process of Producing Poly-L-lactic Acid from Municipal Food Waste and Recycling the Byproduct as Organic Nitrogen Fertilizer for Rice Cultivation

Abstract

【要 旨】 本研究では都市生ごみの新規再資源化技術として提案されたポリ乳酸生産プロセスにおける 元素収支を明らかにし，副生成物をコンポスト肥料として利用する可能性について検討した。100 kg (乾物として 22 kg) の都市生ごみから約 7 kg のポリ乳酸 (炭素収率として 33%) が生産され，主要な 副生成物として，都市生ごみ乾物の約 29% 相当が糖化残さとして発生した。その C/N 比は生ごみとほ ぼ同様の値を示し，可溶性糖が残存する一方で，塩分および油分含量が低下していた。本糖化残さは続 く高温好気発酵により安定なコンポストに変換され，得られた標品は小松菜に対する緩効性窒素肥料と しての有用性が示された。また水稲栽培に用いた場合，化成肥料区等と比較して有意な収量増加が認め られた。以上より，糖化残さをコンポスト肥料として水稲栽培に用いることで，ポリ乳酸生産を基軸と した都市生ごみ成分元素のトータルなリサイクルの可能性が示された。 キーワード：都市生ごみ，ポリ乳酸，リサイクルシステム，水稲栽培，コンポスト 1．は じ め に 食品廃棄物は現在，年間 2,000 万 ton 以上が排出され， その 2 割が産業廃棄物，3 割が事業系一般廃棄物，5 割 が家庭系一般廃棄物として分類される。このうち，産業 廃棄物においては排出量や組成がある程度一定に保証さ れるため，現在ではその 8 割近くが再生利用されている。 一方，食品小売業や外食産業に代表される事業系廃棄物 である都市生ごみは，各種食材が混合され分別が困難な 状態で排出されており，排出量や組成が安定していない。 このため，小規模での肥・飼料化に適さず，低い再生利 用率に留まっている 1) 。また，都市部における肥・飼料 の需給のアンバランス，従来法によるコンポスト化の場 合に問題となる，塩分および油分による発芽遅延や植害 などの作物への悪影響も，再生利用が進まない要因とし てあげられる。元来の焼却処分等による環境負荷を軽減 するという観点からだけでなく，循環型社会における持 続可能な有機物循環として，これら再生利用は重要なプ ロセスであり，包括的なリサイクルシステムの構築が求 められている。 上記に対し，新規な再資源化技術として都市生ごみか らのポリ乳酸プラスチック製造方法が提案され，実用化 に向けて取り組まれている 2) 。本プロセスは様々な由来 の都市生ごみに対しても適用が可能で，夾雑物の多い発 酵液からも純度の高い乳酸の回収および高品質のポリ L-乳酸製造が可能である。また，従来のコンポスト化 では二酸化炭素として放出されていた糖質炭素が化学原 料である乳酸として回収されるといったメリットを有し ている。この改良法においては①糖化処理，②固液分離， ③乳酸発酵，④乳酸精製，⑤乳酸重合のステップが報告 されている 3) 。まず，①で都市生ごみに多量に含まれる デンプンを酵素的に糖化し，②で液分をろ別により回収 し，③で L-乳酸生産菌である Lactobacillus rhamnosus

Total Recycle System of Food Waste for Poly-L-Lactic Acid Output

“…The fermentation residue is rich in nitrogen (C/N=6.5; concentrations of N, P and K were 75, 2.6, and 0.7 mg/g dry matter respectively) reduced in weight to 14% of the untreated food waste, and the precipitated residue produced at the esterification step contains high concentrations of phosphorus and potassium (C/N = 7.7; concentrations of N, P and K were 39, 28, and 23 mg/g dry matter respectively). These stable residues were confirmed to be useful fertilizers (Mori et al, 2008). Condensed water, ammonia, and butanol were reused during the process.…”