“…1. はじめに 限られた観測(計測)点の物性値等の情報から地盤内 の物性値等の分布を確率論に基づいて推定する空間分布 推定手法は地球統計,地質統計,クリギングとして知ら れ,多くの分野で使われている 1), 2), 3) .観測情報からモデ ルパラメタを推定する逆問題において,最小二乗法は中 心的役割を担っており 4), 5), 6) ,正規分布が深くかかわって いる.上記クリギングも最小二乗法,正規分布が根底に ある方法である.クリギングにおいてトレンド成分は所 与とするか,あるいは簡単な関数形を仮定して観測情報 からランダム成分と合わせて推定することが行われる. 関数形についてはいくつかの候補に対して情報基準を用 いてモデル選択する方法が取られている.例えば, Nishimura and Shimizu 7) やNishimura et al 8) では,最尤法に基 づいて,最適なトレンド関数と共分散関数を推定する方 法を提案している.また,コーン貫入試験を利用して地 盤強度の空間分布を考察した研究は,多く存在し,例え ばFenton 9) は,空間分布の統計モデル化に取り組んでいる. さらに,応用研究として,Vivek and Rachowdhury 10) やChen et al 11…”