“…近年の宇宙開発において,大型で高精度な反射鏡アンテナシステムが求められており,今後のさらなる高精度 化に向け,必要に応じてその形状を変えることのできる形状可変鏡システムが研究・開発されている (Theunissen et al, 2001, Tanaka and Natori, 2007, Datashvili et al, 2010.これらは,反射鏡の変形などにより生じる行路誤差(電 波の位相誤差)を,鏡面の形状を適切に変化させることで低減することを目指したものであり,筆者らも圧電ア クチュエータによりアンテナ鏡面の形状調整を行う高精度スマート形状可変鏡システムの開発を進めている .一方,形状可変鏡システムの形状制御に関する従来の研究では,その制御方法は様々である が,アクチュエータは鏡面を押し引き可能なものを想定している (Belvin et al, 1989, Tabata and Natori, 1996, Tanaka , 2011. これらの形状可変鏡用のアクチュエータとして,摺動部を持たず,高精度な制御が可能である圧電アクチュエ ータの活用が期待されているが (Datashvili et al, 2010, Bradford et al, 2012 Vol. 29, No.…”