要 旨 2-アクリロイルオキシエチルイソシアナートとヒマシ油を開始剤とした分枝ポリ乳酸を用い て新規な UV 硬化性樹脂を合成した.UV 硬化性樹脂は比較的高い収率 (90%) で得られた.さらに,UV 硬化性樹脂を 30 分間 UV 照射により硬化させた.得られた硬化フィルムのガラス転移温度は-5°C であ り,ゴム状平坦領域が動的粘弾性測定において約 20°C の測定値から開始していたことから,エラスト マー特性を有していることがわかった.硬化フィルムの熱安定性を TGA により測定したところ,重量減 少は 210°C で開始した.機械的特性として,ヤング率は応力-ひずみ曲線で 317.9 MPa であった.硬化 フィルムは,ブタ膵臓由来リパーゼにより酵素分解性 (最大 8.4%,30 日間) を示した.分解した硬化フィ ルムの SEM 顕微鏡写真では,フィルム表面に多数の穴を示した.