Questionnaire surveys of recreational anglers andˆshermenˆshing for Ayu were conducted around the Okitsu River, Shizuoka Prefecture, from 2010 to 2012, and the recreational value of Ayuˆshing was evaluated using the zone travel cost method (ZTCM). The number of recreational anglers andˆshermen totaled 65,000 78,000 each year, and approximately 10 of these were recreational anglers from the Kanto area who drove a car using toll roads. The recreational value amounted to 479 million yen and 478 million yen, respectively, and the cost beneˆt ratio (B/C) was 9.2 and 8.9, respectively, in 2011 and 2012. In addition, the economic eŠect represented by theˆshing charges income beneˆt ratio (B/I) was 9.2 and 9.1, respectively, in 2011 and 2012. In other words, Ayû shing results in high recreational value as well as highly e‹cient stock enhancement. キーワードアユ,内水面漁業,費用便益分析,遊漁,旅行費用法,レクリエーション価値 内水面は海面に比べて水産資源が乏しく,第 5 種共 同漁業権者である内水面漁協には漁業法第 127 条に基 づき漁業権対象種の水産動植物の増殖義務が課せられて いる。一方で,内水面漁協は,漁業法第 129 条に基づ き遊漁規則を定めて遊漁料を徴収することにより,非組 合員(以下,遊漁者という)が行う水産動植物の採捕 (以下,遊漁という)を認めている。遊漁料は,対象水 産動植物の増殖及び管理のために遊漁者から徴収するも のであるが,遊漁者にとっては釣獲物のほか自然環境へ の親しみやレクリエーションの場の提供の対価として支 払っているのが実情である。また,遊漁を行うために は,遊漁料に加えて釣具や餌,自宅と漁場との往復旅行 費用,さらには往復に費やす移動時間(機会費用)も費 やす必要があるため,遊漁者はこれらのトータルコスト 以上の価値を遊漁に求めることとなる。また,内水面漁 協の組合員(以下,漁業者)が行う漁業においても,漁 獲物の販売ではなくレジャーや自家消費を目的とするこ とがほとんどであるため, 1) 漁業者も遊漁者と同様の価 値を漁業に求めていると考えられる。 このような視点から,内水面漁業においては,食料生 産としての漁業よりもレジャーとしての遊漁の重要性が 半世紀以上も前から指摘されてきた。 2 6) 増井 5) は, 「内 水面漁業は週休二日制や余暇活動の進展により国民との 係わりがより一層強まるだけでなく,自然や景観,環境 保全に留意したレクリエーション機能と地域産業振興と の結合により極めて重要な社会的役割を果たしている」 と指摘している。水口 6) は,流通業やサービス業を引き 合いに出して, 「客(遊漁者)の好みの動向を適確に把 握し,商品(放流魚)を安定供給し,店(漁場)と商品 (放流魚)の付加価値を高める努力をすること」の重要 性を指摘している。 また,増殖義務を果たす手段として放流事業が広く行 われているが, 「放流事業は放流経費と遊漁料等収入と の単純収支では赤字になる場合が多く,レクリエーショ