カラオケのモニターの漏電による橈骨骨折の1例(A radius fracture caused by a short circuit in a karaoke machine monitor)

Abstract

要旨症例はアトピー性皮膚炎と睡眠障害以外に既往のない14歳男性。左手でカラオケ店のモニターに接続したエレキギターを触ったまま右手で金属製のドアノブを触り，そのまま数秒間手を離すことができなかった。その後右手に疼痛を認め同日に救急外来を受診した。来院時の身体所見において熱傷は認めなかったが，右手関節近位部に腫脹，発赤，圧痛を認めた。圧痛が明らかであったためレントゲン撮影を行ったところ，右橈骨遠位端骨折を認めた。後日整形外科外来を受診し，保存加療となった。その後カラオケ店を調査したところ，エレキギターを接続していたモニターから漏電が起きていたことが判明した。今回我々は，低電圧の電撃傷に由来した骨折を経験したので報告する。