2019
DOI: 10.1002/jja2.12393
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ショックからの離脱後に消化器症状を呈したIII度熱中症(Digestive symptoms in heat stroke patients after recovery from shock)

Abstract: 要旨 ショックから離脱した後に消化器症状を呈したIII度熱中症の2症例を経験した。症例1は虚血性心疾患を既往にもつ86歳の女性で,搬入後12時間でショックより離脱し,併発したdisseminated intravascular coagulation (以下DIC)も第6病日に離脱した。消化管障害として水様性下痢が第3病日から第6病日まで持続し,第7病日にS状結腸壊死の診断で腸管切除を要した。症例2は67歳の男性で,搬入後3時間でショックより離脱し,併発したDICも第3病日に離脱した。消化管障害として,水様性下痢が搬入後12時間から第3病日まで持続したが,以後,軽快した。ショックを伴うIII度熱中症では,血管内皮細胞障害に伴う血管内微小血栓を生じる。腸管では,ショックによる組織低灌流と,ショックから離脱した後に生じる組織再灌流障害により,病態として腸管浮腫,徴候として水様性下痢が出現する。腸管の組織再灌流障害は,ときとして腸管壊死を惹起する。III度熱中症では,ショックからの速やかな離脱と全身の重要臓器における循環改善を行うだけでなく,遅発性に出現する消化器障害にも留意すべきである。

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