2019
DOI: 10.1002/jja2.12324
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二枚貝摂取により呼吸筋麻痺を来した麻痺性貝中毒の1例(A case of paralytic shellfish poisoning with respiratory muscle paralysis due to bivalve ingestion)

Abstract: 要旨 麻痺性貝中毒はホタテ,イガイなどのありふれた貝の摂取で起こり得る重篤な食中毒である。当院で経験した,麻痺性貝中毒により人工呼吸管理を要した症例の臨床経過を報告する。症例は66歳の男性。湾岸で自ら採取したムラサキイガイを自宅で加熱調理して摂取した。約1時間後から徐々に口唇と四肢のしびれ,ふらつきが出現したため摂食2時間後に救急車で来院した。病院到着時は発話可能で酸素飽和度は100%であったが来院から40分後に呼吸停止となり,チアノーゼが出現した。直ちに気管挿管を行い,人工呼吸管理,胃洗浄,活性炭投与を行った。症状経過と第2病日に採取した尿検体の分析から麻痺性貝中毒と診断した。24時間以内に自発呼吸は回復し,第4病日に抜管,第7病日に後遺症なく退院した。麻痺性貝中毒は二枚貝摂取により起こる重篤な食中毒であるが,フグ毒などの食中毒と比較して認知度はまだ低い。救急医療従事者間での情報共有と一般市民への注意喚起が重要である。二枚貝摂取後に歩行困難,呼吸困難など中毒症状が強い患者は摂取量が少なくても呼吸停止する可能性があるため,集中治療室でのモニタリングが必須である。

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