2017
DOI: 10.1002/jja2.12198
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軽症先天性血友病Aに合併した誘因のない腹腔内自然出血の1例(A case report of spontaneous intraperitoneal hemorrhage complicated with mild congenital hemophilia A)

Abstract: 要旨患者は38歳の男性。27歳で軽症の先天性血友病Aと診断され,歯科治療時に1度だけ血液凝固第VIII因子が投与されたが,以後は無治療で出血することなく経過していた。発症までに軽微なものを含めて明らかな腹部外傷歴はなかった。前日からの左上腹部痛を主訴に近医を受診した。腹部単純CTで腹腔内出血を疑われて同日当院へ紹介搬送となった。腹部造影CTで造影剤の血管外漏出像と腹腔内液貯留の増加がみられた。血液検査では,活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time: APTT)が47.3秒と延長していた。後日判明した血液凝固第VIII因子活性値は21.9%であった。軽症血友病Aに合併した外傷などの明らかな誘因のない腹腔内自然出血と診断し,血液凝固第VIII因子製剤を4,000単位投与した後に血管造影検査を行った。しかし,明らかな血管外漏出像はなく,動脈塞栓術は行わなかった。その後再出血はなく,第11病日まで補充療法を継続した後,第14病日に軽快退院した。軽症血友病A患者に外傷などの誘因の明らかでない腹腔内自然出血が起こることは非常に稀である。このような腹腔内出血で止… Show more

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