要 旨 進行頭頸部癌に対する化学放射線療法(以下 CRT)は標準治療の一つとして行われている一方，その有害事象 が大きいことも知られている。特に摂食嚥下機能低下は不可避であり，栄養状態の悪化により QOL や治療完遂率 の低下に繋がり得るとされる。今回高用量シスプラチン併用の CRT を行った頭頸部癌患者を対象とし，治療開始 時より経腸栄養剤を用いた栄養介入を行い，CRT 期間中の総投与熱量の程度による体重減少への抑制効果，治療 完遂率への影響，有害事象の軽減効果を検討した。 43 例が解析の対象となった。全症例の総投与エネルギーの中央値は 1484kcal/ 日で，中央値未満の A 群(低栄 養群)21 例と中央値以上の B 群(高栄養群)22 例の 2 群に分けて検討を行った。B 群では有意に体重減少の抑制 効果(p＝0.0047) ，治療完遂率の向上(p＝0.042) ，腎障害の軽減効果(p＝0.0071)が得られた。CRT 中の栄養 介入は体重減少や腎障害を抑制し治療完遂率を向上させていることを示唆しているものと考えられる。 キーワード：頭頸部癌，化学放射線療法，栄養支持療法 The effects of active nutritional support to patients with head and neck cancer during concurrent chemoradiation therapy :

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