2 正会員 復建調査設計(株)環境部(〒732-0052 広島県広島市東区光町 2-10-11) 3 正会員 宇部工業高等専門学校 物質工学科(〒755-8555 山口県宇部市常盤台 2-14-1) 4 正会員 広島大学大学院 生物圏科学研究科(〒739-8528 広島県東広島市鏡山 1-4-4) 5 正会員 広島大学大学院 工学研究院(〒739-8527 広島県東広島市鏡山 1-4-1) 6 正会員 山口大学大学院 理工学研究科(〒755-8611 山口県宇部市常盤台 2-16-1) 7 正会員 放送大学(〒261-8586 千葉県千葉市美浜区若葉 2-11) 本研究は,山口県岩国市由宇町神東の地先において,化学的・物理的特性の異なる製鋼スラグを海域 に投入し,岩礁性藻場形成について検証を行った.また,製鋼スラグによって造成した藻場生育基盤に 不陸形状を作ることで,藻場機能である魚類蝟集効果について検証を行うことを目的とした.岩礁性藻 場生育基盤造成から 1 ヵ月後にはシオミドロを中心に海藻は着生し,6 ヵ月後には藻場造成区域(不陸 なし)で大型海藻,18 ヵ月後には周辺天然藻場の優占海藻であるクロメが出現した.2015 年 6 月に着生 した海藻の湿重量は,製鋼スラグの種類によって差はなく,粒径によって差があった.製鋼スラグによ って岩礁性藻場生育基盤を造成することで,藻場造成前よりも魚類の個体数は増加した.しかしなが ら,0.5m 程度の不陸の有無による魚類蝟集の効果は確認できなかった.