2017
DOI: 10.2169/internalmedicine.8876-17
|View full text |Cite
|
Sign up to set email alerts
|

Critical Leg Ischemia Following Abdominal Aortic Aneurysm Occlusion

Help me understand this report

Search citation statements

Order By: Relevance

Paper Sections

Select...
2

Citation Types

0
0
0
2

Year Published

2021
2021
2021
2021

Publication Types

Select...
1

Relationship

0
1

Authors

Journals

citations
Cited by 1 publication
(2 citation statements)
references
References 2 publications
0
0
0
2
Order By: Relevance
“…血栓閉塞型AAAはAAA症例の0.6~2.8% 1), 2)であると報告され,文献では51例の報告がある 1), 2), 3), 4), 8)。平均年齢は64.7±7.9歳,高血圧,糖尿病,慢性閉塞性肺疾患,末梢血管性疾患の既往症が多い。無症状で経過することもあるが,下肢や脊髄の虚血を発症すると死亡率は50%に上る。AAA内の壁在血栓が脱落してCIAの塞栓症を発症した場合は,下腹部全体の急性虚血により重篤な病態となる。一方,CIAやFAの血栓症の場合は,慢性の低灌流状態により側副血行路が発達し,下肢の虚血症状も比較的緩徐に進行することが多い 1), 2), 4), 5), 6)。本症例は,病理組織で粥状硬化性の血栓閉塞型AAAの状態が判明したことと術中所見から,右側は瘤内の壁在血栓が脱落してCIAの急性塞栓症を発症したと判断した。一方,左側はCIAの慢性動脈閉塞に血圧の低下が加わり一時的な下肢の虚血に陥っていたと判断した。…”
Section: 考  察unclassified
See 1 more Smart Citation
“…血栓閉塞型AAAはAAA症例の0.6~2.8% 1), 2)であると報告され,文献では51例の報告がある 1), 2), 3), 4), 8)。平均年齢は64.7±7.9歳,高血圧,糖尿病,慢性閉塞性肺疾患,末梢血管性疾患の既往症が多い。無症状で経過することもあるが,下肢や脊髄の虚血を発症すると死亡率は50%に上る。AAA内の壁在血栓が脱落してCIAの塞栓症を発症した場合は,下腹部全体の急性虚血により重篤な病態となる。一方,CIAやFAの血栓症の場合は,慢性の低灌流状態により側副血行路が発達し,下肢の虚血症状も比較的緩徐に進行することが多い 1), 2), 4), 5), 6)。本症例は,病理組織で粥状硬化性の血栓閉塞型AAAの状態が判明したことと術中所見から,右側は瘤内の壁在血栓が脱落してCIAの急性塞栓症を発症したと判断した。一方,左側はCIAの慢性動脈閉塞に血圧の低下が加わり一時的な下肢の虚血に陥っていたと判断した。…”
Section: 考  察unclassified
“…血栓閉塞型AAAに伴うALIの治療は緊急外科的治療が必須であり,人工血管置換術と血栓除去術が行われる 7), 8)。しかし,下半身の広範な虚血により,術後に重篤な虚血再灌流障害を発症するため,虚血時間を可能な限り短くするよう緊急時には大動脈の人工血管置換術を避け,腋窩動脈 – 大腿動脈での非解剖学的バイパス術のみ行うという考えもある 2), 5), 6)。さらに血栓閉塞型AAAの患者には,重度の心疾患,呼吸器疾患,腎疾患を伴っているハイリスク患者が多く,緊急では侵襲度の少ない非解剖学的バイパス術を推奨する報告もある 4)。術式の記載があった過去の症例報告によると,43例の血栓閉塞型AAAに対して人工血管置換術を施行した症例は,9例中5例(56%)が生存退院したのに対し,非解剖学的バイパス術を施行した症例では33例中23例(70%)が生存退院していた。血栓除去術のみを施行した1例は死亡していた 1), 2), 3), 4), 8)。AAAの大きさや破裂所見の有無により,人工血管置換術を行わざるを得ない場合もあるが,症例報告からは緊急時には人工血管置換術を行わず,非解剖学的バイパス術による血行再建のみを行うほうが救命率は高いことがうかがわれる。一方,血栓閉塞型AAAに対して非解剖学的バイパス術のみを施行した症例では,15%の症例で6か月以内にAAAの破裂を認めた報告 1)や,腎動脈から上・下腸間膜動脈へと中枢側へ動脈閉塞が進行して広範な腹部臓器の梗塞に至り死亡した報告 9)がある。本症例では,転院時点で発症から3時間であり,血栓除去により患肢の温存は可能と判断した。また,最大径80mmのAAAを伴っており,瘤破裂の危険性を考え,下肢の血栓除去と同時に腹部大動脈瘤人工血管置換術を行うことを選択した。しかし,結果としては腎動脈分岐部直上での大動脈遮断が必要となる高難度症例であり,さらに,大動脈瘤周囲の癒着も高度であったため,右下肢の再灌流までに時間を要し,広範囲の虚血によって救命に至らなかった。右下肢の虚血についても,術中に前脛骨動脈中央部までの開通は得られたものの,術後の全身の循環動態が悪化した状態で中枢側へ虚血が進んだ。虚血の進行は前脛骨動脈の血栓が中枢側へ広がったことも考えられるが,全身の循環不全による下半身への血流低下の影響が大きいと考える。…”
Section: 考  察unclassified