“…などの溶媒中に高密度に分散させたコロイド溶液であり, 磁性と流動性を合わせ持つ人工流体である (Rosensweig, 1985) .磁性流体の自由表面は磁場の作用によってさまざまな界面現象を示す.たとえば,磁性流体プールが界面 に垂直な方向の磁場の作用を受けると Rosensweig 不安定性が誘起され,界面に多数のスパイクが生成される (Cowley and Rosensweig, 1967) .疑似的な 2 次元矩形容器内の磁性流体が磁場の作用を受けると,界面は櫛形不 安定性を呈する (Sudo, et al, 1987) .また,磁性流体液滴が磁場の作用を受けると,磁場の方向に伸長する (Sudo, et al, 1989, Afkhami, et al, 2010) .さらに,平板上の磁性流体液滴が静磁場および鉛直方向の振動場を受けると, ボンド数,振動ボンド数および磁気ボンド数に応じた動的な伸縮応答を示す (Sudo, et al, 1993). 一方,磁性流体の吸着した小さな永久磁石が外部から交流磁場を受けると,永久磁石に磁気トルクが作用し, 磁性流体-永久磁石の素子系にさまざまな運動が誘起される.著者らは,この磁気トルクを利用した幾つかのマイ クロ磁性流体デバイスを提案してきた.たとえば,小さな円柱状永久磁石に磁性流体を吸着させた素子系に交流 磁場を印加することによって,往復運動を行う磁性流体デバイスや回転運動を行うマイクロ磁性流体モータなど の基本原理と駆動特性を報告した (Sudo, et al, 2005, Sudo, et al, 2012a) .また,小さな球状永久磁石に磁性流体を 吸着させた素子系に交流磁場を印加し,平板上で振り子振動を行なうスウィング型アクチュエータの駆動特性に ついても報告した (Sudo, et al, 2007) 本報では, (Rosensweig, 1985) .著者らも,小さな円柱形状の永久磁石(直径 4 mm,高さ 5 mm,表面磁束密度 430 mT の NdFeB 磁石)に磁性流体を吸着させ,外部から 5 mT 以下の小さな強さの交流磁 場を印加し,磁性流体の界面応答を調べ,その周波数特性を報告した (Sudo, et al, 2012b) .図 1 は,そのような 磁石-磁性流体素子に交流磁場が作用した場合の磁性流体界面の応答挙動の一例を示している. 図 1 における実験 Fig. 16 Response of magnetic fluid hole in the pipe subject to alternating magnetic field (V m = 1 × 10 -7 m 3 , f 0 = 80 Hz, E 0 = 60 V).…”