“…撃と関係性攻撃の相関は高いにもかかわらず,それぞ れ心理社会的適応と独自の関連があることが明らかに されている (Card et al, 2008) 。なお,外顕的攻撃お よび関係性攻撃と同様に,能動的攻撃および反応的攻 撃は高い相関を示すことが明らかにされており (Polman et al, 2007) ,能動的攻撃の下位尺度である仲間支 配欲求および攻撃有能感,反応的攻撃性の下位尺度で ある報復意図および怒りがいずれも身体的攻撃および 関係性攻撃と中程度の有意な相関を有することが示さ れている(濱口・藤原, 2016) 。一方で, 能動的攻撃は, 非行,サイコパシー,誇大性自己愛,反社会的行動欲 求( 濱 口 他,2009; Raine et al, 2006;Seah & Ang, 2008) ,反応的攻撃は不安や抑うつ,衝動性,敵意, 親しい友人の欠如 (Barry et al, 2007; 濱口他,2009; Raine et al, 2006;Seah & Ang, 2008) (Little et al, 2003;Marsee et al, 2011;Marsee & Frick, 2007) (Marsee et al, 2011) 。さらに,PCS は, 短縮版 (Russell, 2014)も含め, ポルトガル語 (Pechorro et al, 2021;Pechorro et al, 2018;Vagos et al, 2014) , クロアチア語 (Drnas et al, 2020)に翻訳され,原版 と同様に信頼性および妥当性が確認されている。 なお, この PCS を使用した研究では,共感性や罪悪感の欠 如といった特徴を有する Callous Unemotional 特性(以 下,CU 特性とする)が能動的攻撃の 2 下位尺度と正 の有意な偏相関を示し,非行が能動的攻撃および反応 的攻撃をそれぞれ統制しても能動的攻撃の各下位尺度 および反応的攻撃の各下位尺度と正の有意な偏相関を 示すことが明らかにされている (Frick & White, 2008;Marsee et al, 2011) 。加えて,不安は PCS の下位尺度 を統制した場合,反応的関係性攻撃と正の有意な関連 を示すことが明らかにされている (Marsee et al, 2008;Russell, 2014)…”