Abstract:要旨カフェインはエナジードリンクやサプリメントとして薬局やインターネットなどで容易に入手できるが,過量摂取すると代謝性アシドーシスや致死性不整脈を来し死亡に至ることもある。今回,重篤なカフェイン中毒により難治性心室細動を来したが,独歩退院した症例を経験した。20歳の男性。意識障害と繰り返す嘔吐で家族とともに夜間休日診療所を受診したが,受診中に非持続性心室頻拍と意識レベルの低下,痙攣を認めたため診療所より当院へ救急搬送された。来院時は心室性期外収縮を伴う洞性頻脈であったが,その後誘因なく心室細動が出現した。除細動によって迅速に自己圧を伴う洞調律に回帰するものの,心室細動を繰り返し,硫酸マグネシウム,アミオダロン,リドカインなどの薬剤投与に抵抗性であった。18回の除細動を行いつつ経皮的心肺補助装置導入の準備を開始し,並行して塩酸ランジオロールを高容量投与したところ速やかに洞性調律に回帰し安定した自己心拍再開を得た。カフェイン中毒は症状が非特異的であり,搬入時に診断することは困難であることが多い。重篤なカフェイン中毒には腎代替療法が有効であるが,常に腎代替療法が可能な施設に搬送されるとは限らない。そのような状況において発… Show more
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