2015
DOI: 10.1002/jja2.12022
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心肺蘇生後遅発性に腹腔内出血を来しショックに陥った1例(Delayed–onset intraperitoneal hemorrhage induced by cardiopulmonary resuscitation: a case report)

Abstract: 要旨心肺蘇生後の合併症として腹腔内出血は非常に稀な合併症である。我々は心肺蘇生後に胃の裂創から消化管出血を来し,その治療後さらに遅発性の腹腔内出血からショックに陥った1例を経験した。症例は88歳の女性。既往に脳梗塞があり,ワルファリンカリウムを内服中であった。だんごを誤嚥し窒息から心肺停止に陥り,バイスタンダーにより蘇生された。当院へ救急搬送され入院となったが,第2病日に下血を来し,緊急で上部消化管内視鏡検査を行った。胃体上部小彎に5cm大の裂創を認め,クリッピングにより止血しその後同部位の再出血なく経過した。しかし,第9病日にショックに陥り,CT検査で大量の腹腔内出血を認めた。輸液・輸血でショックを離脱できず,緊急で開腹手術を行い,左胃動脈の末梢枝より出血を認めたため結紮して止血した。損傷の原因は心肺蘇生(胸骨圧迫)による直達外傷が考えられた。その後は問題なく経過し,第13病日にsecond look operationを行い止血を確認し,第34病日に軽快退院となった。心肺停止蘇生後の症例において,胸部はもちろん腹部の合併損傷も稀ではあるが致命的になる可能性があり注意を要する。

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