要旨【目的】病着時の静脈血ガス分析におけるPvCO2がECPR導入の指標となりうるかを検討した。【対 象】2015年1月から2018年12月の期間で,当院救命救急センターに搬送されECPRを施行された成人院外心肺停止症例を対象とした。病着時に静脈血ガス分析が測定された58例について後方視的に解析した。解析結果からECPR導入の指標となりうる最適なPvCO2のカットオフ値を検討した。最適なカットオフ値の評価のため20~140まで10mmHgごとのPvCO2値を使用し,感度,特異度を計算した。【結果】PvCO2 80mmHgをカットオフ値とした場合,神経学的予後良好に対する感度100%,生存に対する感度88%であり最適なカットオフ値であると考えた。さらに,PvCO2 80mmHgで対象を高PvCO2群(19例),低PvCO2群(39例)の2群に分けてECPRの予後に関わる臨床情報を比較検討した。目撃あり(63% vs. 90%,P=0.022),bystander CPRあり(37% vs. 77%,P=0.004)で有意差を認め,高PvCO2群で有意に低かった。臨床情報から高PvCO2群では心停止時間が有意に長かったことが示唆され,カットオフ値が適切であることを裏付ける結果であった。【結語】PvCO2 80mmHgはECPR導入の指標となる可能性がある。
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